目的と手段を履き違えている行政
最近では、テクノロジーの発達とそれに伴うインフラの整備・充実によって、アメリカでも起業がドンドン身近になっていって、スタートアップが雨後の筍のように生まれている。
勿論、日本においても同様の傾向は加速してる。
また、それを支援するような政府の政策も充実し始めて、国を挙げて、やれ小規模事業者持続化補助金だの、創業者補助金だの、モノ造り補助金だのとやってるみたい。
でも、本当にそれって、「中小企業を支援する」という目的を達成するために役立っているのか?
勿論、色んな助成金が存在する以上、一概に全ての助成金における目的が同じだとはいえない。
それでも、根本的には事業や業績が安定している企業ではなく、これから立ち上げようとしているような、中小零細企業を支援することが大きな目的の1つであるはず。
僕の経営者友達の中にも若くしてスタートアップを立ち上げて日本を良くしよう、世界を良くしようと夢を持って走っている友人が何人もいる。
そういう彼らが実際に助成金に申請してみると、とにかく「ガッカリする」らしい。
彼らは、事業を立ち上げて軌道に乗せるために必死で、没頭している。
そんな中で、少しでも役に立ちそうであれば助成金にも申請して試してみる。
でも、あまりのヒドさにガッカリする。
なぜか?
・少ない
・遅い
・面倒
特に、「遅い」「面倒」なんて致命的だ・・・
起業する、事業を立ち上げるということは、「今までにないもの」「時代の先端を行くもの」「市場で差別化できるもの」を作るということが大半。
このめまぐるしく変化する世界において、商機なんて一瞬だ。
まして、スタートアップなんて「ない」もの尽くし。
・お金もない
・時間もない
・人手もない
・コネもない
・ノウハウもない
こういう人たち向けの助成金でありながら、
・お金も少ない
・時間もかかる
・手間もかかる
・やり方が分かりにくい
ってどういうことだろう。
中には、助成金をもらえるわけじゃなくて、法人税から控除されるなんていうフザケたものまで存在する。
なんのための助成金なのか。。。
勿論、「不正の防止」とか「報告・記録」とか、色んな理由は考えられる。
でも、そんなことはどうでもいい。
それをなんとかして、対象企業を支援する、本当の意味で役に立つ助成金を出すための方法を考えるのが行政の仕事だ。
ただ、ルールを作って、作業的に審査をして、リスクばかりヘッジして、安全に助成金を出す。
そんなお役所仕事によってバラまかれようとしている助成金にどれほどの有用性があるのか本当に疑問。
うちの会社では、今のところこういった助成金に申請する予定はないけど、こういった状況が改善されて、本当の意味で官民一体となって日本の産業を底上げしていけるような仕組みが整っていったらいいなーと思う。