SHANGHAI★BASE

Unbot Group CEOのブログ。中国の最新市場動向を上海から発信。越境EC・訪日インバウンド・WeChat・Weibo・EC(タオバオ)etc...

中国市場は、他国市場に比べても千差万別な見方がありますね

当然先進国に比べて中国のような発展途上国は、予測しにくい市場かもしれないが、

中国はその中でも不確定要素も多く、市場予測が千差万別だなぁと感じる。

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Shanghai Daily(上海日報)の昨日の報道は、中国のベンチャーキャピタルによる2010年から2011年の国内投資スタートアップ数が50パーセント増加したと伝えている。調査会社のChina Ventureによると、976のスタートアップが89億5千万米ドル相当の投資を受けたという。2011年での平均投資額は917万米ドルで、2010年と比較して30パーセントの増加である。

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但し、四半期単独で見ると、投資額は43パーセント下がっている。

また、一部のメディアでは、北京の投資家は、2012年の市場は大荒れとなり、スタートアップは生き残るためにコスト削減に取り組む必要があると言っていると騒ぎ立てている。

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2012年は、不正会計により、昨年Youku(優酷)やBaidu(百度)の株式が暴落してしまったために、中国企業の粉飾決算に対して、警戒感が広がる可能性もあるという味方もあるようだ。

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中国におけるベンチャーキャピタルからの投資額上位10社のうち8社がECを始めとするインターネット関連企業。VANCLなんかが有名所どころ。(因みに、VANCLの忘年会にはあの蒼井空がゲスト出演したらしいw)

 

ところが、China Business Journalの記事によると、2012年の中国国内のECサイトは厳しい状況に晒されると予想している。

C2Cの市場は淘宝が独占状態に入っており、勝利。急成長中のB2Cの市場においては、昨年中に巨額の投資を獲得したECサイトがグングン市場を獲得し、獲得に失敗した企業は大きく差をつけれら淘汰されていくということらしく、最も投資資金を獲得しているIT関連、EC関連の企業への投資が落ち込むことを予想している。

 

ところが、一方では、別の動きも出ている。

 

世界的なベンチャーキャピタルであるLightspeed Venturesが8億7500万米ドル相当の新たな資金調達に成功し、その内の2億万米ドルについては、中国系企業向けに充当することが決まっているらしい。これはある意味、アメリカ系のVCが中国の市場の成長性にまだまだ熱があるという味方をしているということだ。

更に、人人網の株価が、今週頭に2日間にわたって、ニューヨーク株式市場で50パーセントを超えて急上昇したらしい。FACEBOOKIPO申請からの期待感に便乗した影響のようだ。

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こういった様々な動きを見ながら、私が思うのは、必ずしも実態と一致していない見方が多いなということ。

一部の数値や影響だけで決められない多くの要因が、他国に比べて、複雑に絡み合っているのが中国の実態ではないかと思う。

 

例えば、現場にいると、如何に、FACEBOOKIPO申請したところで、RENRENが成長するとは到底思えない。

数字を見ても、FACEBOOKは、ターゲット広告により15億ドルもの営業利益を出しているにも拘わらず、RENRENは未だに損益分岐点を超えていない。

それどころか、中国における競合とも言えるSNSの微薄は、2億5,000万人ものユーザーを抱えているが、RENRENはたったの1億3700万人。しかも、成長性は低い。。。

既に、中国の私の友人でもRENRENを使っている友人は限りなく少なくなっており、一般の人たちは微薄(WEIBO)に大きく移行している。

更に、微薄の機能やUIはドンドンFACEBOOKの方向に近づいていっている。

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その他、B2Cサイトにおいてもラグジュアリー関連のB2Cサイト(例えば、美西网など)は市場の伸びに合わせて売上も伸ばしており、今年急成長を遂げる可能性を持っている。

 

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その他、今年の中国人女性の最も重要なキーワードとなる業界も急激に伸びると予想される。

 

それは、

 

 

「結婚」「出産」

 

 

今年は、「龙年」にあたり、干支を非常に重要視する中国人にとっては、この年に生まれた子供は大成する、夫婦円満と言われる「龙年」はこのキーワードに飛びつく1年になると思われる。

 

こういった中国独特のキーワードは、上記のような様々な業界にも大きな影響を与えると思われるし、中国人女性が一生のうちで最も消費するであろうこの2つの時期に、最適なマーケティングができれば、大きな市場を獲得できる。

 

 

中国は、一律の統計が非常に難しい国であり、民族、都市、都市の中のエリア、年齢、性別、時期、勤務先などにより趣味趣向が大きく異なる。

 

 

とにもかくにも、「1億総中流」と言われたような単純な市場ではないのが中国。

 

 

一概に、あぁだこうだということ自体が的外れであり、意味のないことだと思う。

 

そんなことよりも、自らが存在する市場がこれからどのように伸びていくのか。

明確なターゲティングができているのか。

ターゲットの生活習慣、思考はどこにあって、これからどこに向かうのかに最大限注力することが最も重要だと思われる。

 

 

私自身、最近そんなことを強く感じる出来事があったことに感謝したい。