紙にかかないなんて・・・
弊社では、業容拡大に合わせてマーケティング関連の人材募集をしています。
そこで、中国人スタッフの面接を随時行っていますが、全般的に考えが非常に浅い人が多いなぁと改めて感じます。
それは、別に能力やスキルといった明確化されたものではありません。
もっともっと根本的な考え方や姿勢の話です。
・何がしたいのか?
・何が提供できるのか?
・どうなりたいのか?
・なぜそうしたのか?
・なぜそうしたいのか?
といった基本的なことです。
私は個人的に、勉強ができるかどうか、IQが高いかどうかは重要だと思っていません。
商売の世界で、人並み以上であれば、あとは大した差ではないと思っています。
重要なのは、【意思】であり、【考え方】・【姿勢】です。
中国、いや、上海では、この個人として独立した【意思】を持っている人に出会うことがなかなかないように感じます。
当然、友人の中でも絶対数としてはそれなりにいますが、それは全体としてはかなりの少数ですし、ほとんどが経営者です。
あとは、日常の問題(給料が少ない、福利厚生がよくない、仕事がない等)を短期的に解決することにばかり注力しているような人に多く出会います。
・何がしたいですか?
A:日本語に関わる仕事が・・・
・日本語に関われれば何でも?
A:そうですね。今のところ・・・
・5年後何をしていますか?
A:え〜と〜・・・
・給与はどの程度を?
A:3,000元で・・・
・なぜですか?
A:みんなそれぐらいだと聞いたので・・・
・夢ややりたいことはありますか?
A:会社に入れたら、一生懸命仕事して・・・
という感じです。
勿論、違う人もいますが、そうじゃない人が日本に比べても多いように感じます。
日本の制度が良いとは思いませんが、少なくとも「自己分析」や「企業分析」はしますね。
ドイツでは、大学を卒業すると最低1年は進路を決めるための自由な時間を設けるとドイツ人の友人から聞いたことがあります。
それぐらい自分を見つめなおす時間は重要視するべきだと考えているということです。
日本では就職活動する際に、自己分析といえば、色んなアンケート形式の質問に答えてみたり、紙に書いて整理するといったことをしますね。
特に、この紙に書いて整理するという習慣は非常に効果が高いと私個人的には思っています。
私の場合は、大学時代からマッサラな特別な自分用ノートがあって、ちょっとでもモヤモヤするとそこに書いて整理しています。
その習慣は今も変わらず残っていて、今後もずっと続いていくと思います。
なぜなら、紙に書かないと頭の中が整理できないからです。
頭の中が整理できないと心や感情の整理もできません。
もしかすると、多くの人がこの効果に気づかずモヤモヤを抱えながら過ごしているかもしれません。
こんな簡単なことで自分の悩みが整理できるはずがないと。
でも、実際は簡単に整理できます。頭の中だけで整理できてしまうほど、人間そんなに賢くないということですかね。
だから、このデジタル化していく世の中でノートの市場が伸びているんですね。(どうやらノートの活用方法が変わってきたみたいです。)
私個人的には、常に紙に書いて整理する習慣は誰しもが持ったら良いと思う習慣です。
人生の岐路に立っていれば尚更です。
そこで、せっかく面接に来てくれた皆さんにも、弊社で採用ができなくても、悩んでいれば少しでも役に立てればと、紙に書く方法をススメたりしています。
ただ、気になって数週間後に連絡してみると、ほとんどの人ができていない。
正直、結構ショックなんですが、それでも数人は実際に実行して、効果が分かったと「谢谢(シェシェ)」といってくれるので良かったと思っています。
ただ、中国でも詰め込みの教育にばかり執着しすぎる感がある。
更に、家族や親戚の意向、待遇重視の考え方等を重要視して、自分のしたいこと、自分を見つめなおすことを重要視しない傾向が強いように感じるので、非常に残念です。
これも「大きな政府」の副作用なのかもしれないと思ったりもしますが。