【中国2大ECキャンペーン 618まとめ】天猫(Tmall)の「独身の日」に匹敵するJD.com(京東)の618キャンペーン
中国のECキャンペーンで有名なのは、天猫(Tmall)が主催する「独身の日(ダブルイレブン)」だと思います。
が、
天猫と並んで「2強」と言われる、JD.com(京東)が仕掛ける618キャンペーンも、非常に有名です。
618は、JD.comの会社設立記念日(6月18日)にちなんで行われる大型キャンペーンです。
JD.comと言えば、家電系のECモールとしてスタートした事もあって、男性ユーザーが多く、客単価も天猫に比べて非常に高いイメージがあります。
ただ、近年、このイメージを払拭するため、女性に好まれる商材(日用品、コスメ、マタニティ、食品など)に注力してきており、その成果が、今年の618でも出てきているようです。
2017年6月1日〜6月18日までの累計注文数は、
1,199億元(1兆9,500億円)
2016年11月11日の、天猫の「独身の日」は、取引額(GMV)が、
1,207億元(1兆9,650億円)
かなり近づいてきてますね。
但し、下記の事には、留意しなければなりません。
・今回の618は、去年の「独身の日」から半年以上経過している
・「独身の日」は1日の取引額、618は19日間の取引額
↑とはいえ、そもそも「独身の日」は、11月11日の1日での販売がメイン、618は6月1日から6月18日まで、継続して販売していく長めのキャンペーン。
2016年の618の取引額は、公表されていないようですが、
最初の1時間の取引額は、去年の2.5倍
モバイル経由の取引量は、85%
モバイル経由の取引量は、去年の2.2倍
ということで、恐らく、去年の2倍以上の売上を達成したようです。
【売上&販売数 ブランドランキング TOP10】
【売上高ブランドランキングTOP10】
1位:惠氏 Wyeth 粉ミルク
2位:尤妮佳 ユニ・チャーム 紙おむつ
3位:美素佳儿 Friso Gold 粉ミルク
4位:花王 紙おむつ
5位:雀巣 ネスレ 飲料
6位:五粮液 お酒
7位:达能 ダノン ヨーグルト
8位:好奇 ハギーズ 紙おむつ
9位:美赞臣 DHA 粉ミルク
10位:帮宝适 パンパース 紙おむつ
【販売量ブランドランキングTOP10】
1位:蓝月亮 洗剤
2位:三只松鼠 お菓子
3位:维达 Vinda ティッシュ
4位:金龙鱼 食用油
5位:六神 虫除けスプレー
6位:雀巣 ネスレ 飲料
7位:海飞丝 Head & Shoulders シャンプー
8位:花王 紙おむつ トイレタリー
9位:伊利 牛乳
10位:百草味 お菓子
今回の618では、日用品がものすごく売れてますね。
紙おむつ、粉ミルク、ティッシュ、飲料、お菓子、乳製品、シャンプー等ですね。
【ホット検索Word】
・チャイルドシート
・紙おむつ
・洗剤
・食用油
・ナプキン
・チョコレート
・粉ミルク
・口紅
・白酒
・歯磨き粉
・コーヒー
・洗顔
・ペットフード
この辺りが、ホット検索Wordだったようです。
やはり、日用品系が多いですが、売上TOP10に入ってきてないのは、単価の影響もあるんでしょうか。
【カテゴリ別売上げランキング】
●マタニティ
1位:惠氏 Wyeth 粉ミルク
2位:尤妮佳 ユニ・チャーム 紙おむつ
3位:美素佳儿 Friso Gold 粉ミルク
●トイレタリー
1位:海飞丝 Head & Shoulders シャンプー
2位:清扬 クリア シャンプー
3位:沙宣 ヴィダルサスーン シャンプー
4位:苏菲 ソフィ ナプキン(ユニ・チャーム)
●コスメ
1位:ロレアル
2位:ニヴェア
3位:OLAY
●越境EC
1位:花王 紙おむつ
2位:Aptamil 粉ミルク
3位:サムソン
4位:ユニ・チャーム 紙おむつ
5位:Apple
【日系では、ユニ・チャームが圧倒的な上位】
食品以外は、日系、欧米ブランドが強いですね。
特に、日系では、ユニ・チャームが、各カテゴリで上位に入っています。
紙おむつカテゴリでは、堂々の1位
マタニティカテゴリでも、2位に食い込んでいます
更に、
ナプキンカテゴリでは、堂々の1位
トイレタリーカテゴリでも、シャンプーに続いて4位に食い込んでいます
【今年の618の特徴】
今年の618の大きな特徴は、
女性ユーザーが圧倒的に増加したことのようです。
元々、家電の小売からスタートしたJD.comは、これまで、男性ユーザーが多いとされてきましたが、2014年に、WeChatを運営するテンセントと資本提携してから、女性ユーザーのアクセスも急増し、2016年には、ネットスーパー大手の1号店を買収するなど、女性ユーザーの獲得に注力してきました。
その結果、
618での京東スーパーの女性ユーザーは、前年比で70%以上増加
食用油を購入した女性ユーザーは、前年比で200%増加
飲料を購入した女性ユーザーは、前年比で300%増加
紹興酒やビールを購入した女性ユーザーは、前年比で其々133%と70%増加
しました。
日本では、認知度が低いですが、JD.comは、2014年のテンセントの資本提携から、アクセスが爆発的に増加しており、GMVの成長率は、天猫を遥かに上回っています。
今回の618では、去年の天猫W11に匹敵する売上を上げてますし、女性ユーザーも急激に増加中。
更に、Amazon同様に、生鮮食品や紙おむつ、粉ミルク、日用品等の購入頻度が高いカテゴリに注力して、ユーザーの囲い込みに成功しているように見えます。
テンセントとアリババは、世界時価総額ランキングで共にTOP10入りしたライバル同士ですが、アリババの主戦場であるEC分野においても、テンセント&JD.com連合軍で侵食し始めているようです。
日本では、JD.comの知名度が低い分、先行してJD.comでの取り組みを強化した日系企業が、先行者利益を享受できるのではないでしょうか。
【本BLOG筆者】
株式会社unbot(アンボット)
代表取締役
中町秀慶(なかまち ひでのぶ)
東京・福岡・上海・台北・香港で、大手日系ブランドの越境EC/中国EC店舗運営や公式SNSアカウントの運営を行っている。
2016年度の㈱unbotグループで運営するEC店舗の流通額は、12億元(200億円)を突破。上海在住9年目。
BLOG:SHANGHAI★BASE
㈱unbot WEB SITE:株式会社unbot
㈱unbot Facebookページ:https://www.facebook.com/unbotinc/
㈱unbot インスタグラム:https://www.instagram.com/unbot_inc/
Twitter:中町秀慶@上海 (@hidenobuN) | Twitter