【中国ネット決済】遂に中国でApplePayがサービス開始・・が、苦難の道では?
アップルが今日、正式に「Apple Pay」を開始したとのことです。
下記、アスキーからの引用。
『アップルは中国において、決済サービス「Apple Pay」を正式に開始した。
アップルは2月17日(現地時間)、iPhoneで決済できるサービス「Apple Pay」を中国に拡大したことを公式サイトで公表した。
現在、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアで提供されており、中国が5ヵ国目となる。
Apple Payは、iPhone 6/6 Plusから搭載されている非接触型の決済サービス。あらかじめクレジットカードや銀行カードなどの情報を登録しておくことで、ショッピングの際にiPhoneをかざして指紋認証(Touch ID)で決済できる。
中国で開始されたApple Payでは、国内で唯一のカード会社「China UnionPay」(中国銀聯)のクレジットカードとデビットカードをサポートするという。なお日本での提供は未定だ』。
個人的には、この部分だけはいくらアップルでもWeChatペイメントが既に生活インフラになっているため中国市場での普及は難しいんじゃないかなと思っています。
WeChatペイメントは、Wechat(微信)※(中国でのLINE みたいなもの)から派生したもので、 先日の記事の紅包でお年玉をチャットで送り合うように、中国ではものすごく電子マネー文化が浸透しています。
ちなみに、これはちょっと古いですが、2015年6月の映画チケットを購入する際の電子決済シェアのデータです。
中国市場での移動端末での(スマホ等)による電子マネー取引は2011年から2014年の間で、73.69%から134.3%の成長率。
また、2013年にはスマホでの支払いが1.25億元(25.1%)だったのに対し、2014年には2倍の2.17億元(39%)。
中国で電子マネーというと主に支付宝(アリペイ)・微信支付(WeChatペイメント)。
あと、百度钱包。
ただ、ダントツで今、伸びてきているのが微信支付(WeChatペイメント)だと思います。
これは、僕の感覚値も入ってますけど、圧倒的だった支付宝(アリペイ)が、テンセントの微信支付(WeChatペイメント)に抜かれる可能性が本当にあると思っています。
微信支付(WeChatペイメント)は、アクティブユーザー数6億人を誇るチャットアプリWeChatのIDがベースなので、名刺代わりのWeChatさえ知っていればお金のやり取りが簡単にできてしまう。
一方、支付宝(アリペイ)は、個人間のお金のやり取りは、電話番号やメアドが必要です。
ちょっとした事ですけど、この手間が大きな違いになります。
僕の携帯の電話帳を見ても電話番号を知っている友人よりもWeChatのアカウント知ってる人の方が圧倒的に多い。
電話番号は知らないけど、WeChatだけ知ってる。
まして、メアドなんて知らない人がほとんど。
これが圧倒的な優位性です。
先日、友人が駅の切符売り場で切符を買う現金を持ち合わせていなかった見知らぬ人に「Wechatで10元あげるから現金くれないか」と依頼をされてました。
それくらい電子マネーが当たり前になっているんですね。
他にも コンビニで何か購入した時にこの「クイックペイ」をレジで見せる→バーコードをスキャンしてもらって終わり。
すると、お店側から「購入ありがとうございました」的なメッセージがWeChatから来ます。 コンビニだけでなく、飲食店、デパート、喫茶店、デリバリー等、微信支付(WeChatペイメント)はほぼ浸透しています。
なんでこんなに浸透するのか? 店舗側にとっては、これを導入することによって顧客情報を獲得でき定期的に情報を配信することができます。
つまり、自分のお店で購入してくれた人たちを更に囲い込むことができるからです。
一方でユーザーにとっても、 まず現金を持たなくてもいい便利さ、そして偽札をもつ心配がないこと。
(中国ではみんなお金を受け取ると大体光にかざして本物か毎度確認します・・・)
また、「割り勘」という習慣がないので、後から多額になった場合はお金を送り合うとかそういう部分で浸透しているのだと思います。
日本の一部の百貨店でもインバウント施策として導入していますよね。
でも、Apple payがどんな施策でこの二大巨頭に挑んでくるのかちょっと楽しみな気もしています。