素直さということ
ダーウィンの進化論にしても、ビジョナリーカンパニーにしても、最強の生物や最強の会社が永続して繁栄するのではなく、環境に適応できる生物や会社が永続的な進化と発展を遂げると説いている。
6感をフルに活用して、時代の流れや環境の変化を的確に察知して、改善を繰り返し、新しい一歩を踏み出して、進化していく。
その一歩一歩が大事なわけだけれども、その大前提となる心態が、「素直」さだ。
会社だけでなく、人においても「素直」な心態を持ち続ける限りは、環境から学び、経験から学び、人から学んでいき、永続的な成長の余地を持ち続けることができる。
ところが、この「素直」さという心態の対局にある心態である「自尊心」が強くなってくると、厄介なことが起こる。
一概に「自尊心」が悪いと言っているわけではないけれども、成長の余地、可能性を根本から遮断する類いの「自尊心」は、「素直」な心を曇らせる。
この類いの「自尊心」のことを、私は「安いプライド」と昔から呼んでいる。
「安いプライド」が「素直」さを上回ったその瞬間から、成長の速度は圧倒的に鈍化する。
この考え方は、冷静で論理的な頭の部分では理解していても、感情的で移ろいやすい胸の部分では、頻繁に忘れ去られる。
それでも、永続的な成長の可能性を追求していくためには、個人としても、会社としても「素直」な心態を持ち続けることが大切だ。
忘れるなかれ。