ロボットは人間よりも優れたマーケッターになれるのか?
マーケティング業界に身をおいていて、本気で業界の先行きを考えている人にとって、これは、1つの注目に値するテーマだろう。
「ロボットは人間よりも優れたマーケッターになれるのか?」
当然、賛否両論ある。
特に、クリエイティブ・ディレクターからの反論もあるだろうし、一般のマーケターとしても、そうであってほしくないという人間的な気持ちもあるだろう。
このコトに関する興味深い記事を「SEO Japan」さんが掲載していたので、ご紹介。
記事は、下記の方のブログから。
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ミッチ・ジョエルは数々の受賞歴を誇るカナダ発のデジタルマーケティング/コミュニケーションエージェンシー、Twist Imageの代表です。2008年にはカナダで最もソーシャルメディア上で影響力のある人物、そして40歳以下で最も有名な40人の一人、さらに世界で最も影響力のあるオンラインマーケッター100人の一人に選ばれました。
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彼の考察の中で、特に興味深いのがこちら
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私たちは、リターゲティングとリマーケティングの世界に住んでおり、そこではユーザーは大半のオンライン行動履歴を追跡されるため、ブランドはユーザーの行動をより理解することができ、ユーザーが消費したコンテンツや閲覧した製品に基づいて広告を発信することができる。リターゲティングの取り組みの大部分は、クリエイティビティにはあまり頼らず、データや自動化サービスに多くを頼っている。それと多変量解析を結びつけると、さらに私たちは、クリエイティビティやビッグ・アイディアに欠けており、才能あるクリエイティブ・ディレクターは反対した立場を取るかもしれないが、最も優良な広告を作って提供することができる広告モニタリングテクノロジーの世界に踏み込んでいく。
広告の未来は、これら3つのストーリー(マーケティング自動化、コンテンツマーケティング、広告代理店が提供するもの)が、より大きくより幅広く経済価値をもたらすブランドストーリーを伝えることをどれくらい上手くやるかの競争になるだろう。
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現在の広告の世界は、市場・消費者の生活環境の劇的な変化によって、この3つのストーリーが、如何にも中途半端な役割を取って、試行錯誤を繰り返している。
マーケティングの自動化は、日々アドテクが進化し、且つ、ビッグデータの解析、利用も試行錯誤する中でススメられている。
コンテンツマーケティングは、コンテンツとしての強みを発揮できているのは本当にごく一部で、長期的な戦略やコンテンツとして緻密な方針の基、自社のコンテンツのあり方をコントロールしできている業者やユーザー企業は、実際のところ圧倒的に少なく、名ばかりの運用やコンテンツ発信が充満している。
広告代理店は、従来の圧倒的な力を持っていた広告代理店を中心に、右往左往しながら、時代への最適化を図りつつも、従来型のメディアプランニングとしての強みを失いつつあることに戸惑っている。従来の商社としての機能からコンサルティングへと移行しようとしながらも、そのノウハウを蓄積しきれていない。
「Data Is New Oil」と言われる時代において、マーケティング業界各社がどのように最適化、進化を遂げていくのかは、この数年の間に決定的な違いを生むと思う
他社に先駆けてデータに関するPDCAを高速で回すことに注力した企業は、今後も競争優位性を発揮するだろうし、従来型の人間のノウハウに頼った戦略を継続する企業は、時代の荒波に飲み込まれる。
ZyngaやGreeといったゲーム企業は、「ゲーム企業の皮をかぶった分析企業」と言い切り、日本の優良企業3位に君臨する「コマツ」はダントツ経営の最終段階を「データのダントツ活用」と位置づける。
リクルートは他社に先駆けて、Hadoopの活用を企業戦略の中心に置き、マクドナルドはビッグデータ活用に300億円を投資、ウォルマートは早くから監視カメラを活用したユーザー動向の調査で成果を上げ、アマゾンはレコメンドサービスで大幅の増収を達成。
GoogleやTwitter、Facebook、ヤフーは言うまでもなく、データを企業戦略の中心に据えている。
彼らの競争優位性が圧倒的なのは、ユーザー数でもアクティブ数でもない。
ユーザー情報だけでなく、あらゆるユーザーの行動履歴、ソーシャルグラフ、発信内容等の圧倒的なデータを保有していることにある。
Googleは、広告を情報に変えて、革命を起こした。
あの時の大変革に匹敵、いや、それ以上のインパクトが、今起こっている。
現段階で、ロボットが人間より優れたマーケッターにはなれないにしても、ロボットをうまく活用した人間が、そうしなかった人間に比べて、優れたマーケッターになることは間違いない