SHANGHAI★BASE

Unbot Group CEOのブログ。中国の最新市場動向を上海から発信。越境EC・訪日インバウンド・WeChat・Weibo・EC(タオバオ)etc...

今そこにいないから目標なんだ

先日、ソーシャルマーケティング事業を手がける会社の老板(社長)と食事をしました。

 

彼と話す中で、中国系企業では当たり前と思われていることが、僕には大変な違和感を与えていることだと気づきました。

 

会話の中で多くの違和感がありましたが、特に感じたのは、目標や経営理念についてです。

 

「ビジョナリー・カンパニー」が世界中で読まれていることもあり、ビジョンや経営理念は非常に重要視されている昨今。

 

ただ、中国ではあまり読まれていないようです。特に、中小企業経営者の間では。

 

 

僕の会社などまだまだ吹けば飛ぶ程の会社ですが、これからの成長を見据えて「目標」や「経営理念」、「経営計画」、「人事制度」などは揃えています。しかも、本気で。

 

 

ところが、彼にこう聞かれて、驚きました。

 

「うちの会社はこれからどうなるんだろうか?」と。

 

「ん?。。。」

 

 

 

その言い方が、あまりにも「影響力の輪の外側」に依存した言い方だったので、(それは、あなたが決めることであって、誰かに決められることではないのでは?)と驚いて、一瞬中国語を聞き間違えたかとさえ思いました。

 

 

彼の会社は、創業者が3名おり、彼はそのうちの1人です。

 

 

会社には、経営理念や経営計画どころか、「目標」と呼ばれるようなものすらないと言います。

 

 

会社がどこに向かおうとしているかすら、自分たちでもよくわかっていないそうです。

 

 

そこで、

「経営理念とまでは言わなくても、なんでも良いから、来年売上1000万元とか目標がなければ、当然今後どうなるかなんて分からないのでは?」

と聞いてみました。(そもそも拡大したいのかどうかも決めるべきですが)

 

すると、

「今、売上が1000万元もないのに、達成できない。このまま行けば、500万元ぐらいだろう」と言います。

 

 

その言葉を聞いた時、以前ダイエットをすると言い出した友人(日本人)のことを思い出しました。

 

 

彼は、「ダイエットをしようと思う」と言い、僕が「何キロまで痩せるの?」と聞くと、「今83キロで毎日ダイエット食とランニングして、多分73キロぐらいになるかな〜」と答えました。

 

 

僕は、その時と同じ違和感を感じました。

 

 

「このまま行けば、こうなる」というのは、「予定」であって「目標」ではない。

 

 

それは、大企業において、「このままいけば定年までには部長にはなれる」と言っている人と同じ。

 

 

もしもクラゲのように海を彷徨って生きたいのであれば、それでも良いかもしれません。

 

 

但し、中国人の友人のように会社を創業する以上、何かしらの夢や希望、想いがあってのことだと思います。

 

 

簡単なことではありません。何も考えずに高いところには行けません。

 

 

アインシュタインもこう言っています。

「同じことを繰り返しておきながら、異なる結果を期待するとは、きっと頭がどうかしているのでしょう」

 

 

 

ただ、多くの人が(僕も含む)、同じこと繰り返しながら一発逆転が起きることを期待しがちです。

 

 

一夜にして成功した事例を見て、あたかも宝くじが当たったかのように感じてしまうのかもしれません。

 

 

 

「今」がどうであるかは、全くもって重要ではありません。

 

そして、

「何ができるか」も全くもって重要ではありません。

 

 

重要なのは、

「どうしたいか」「どうなりたいか」

これだけです。

 

 

例え、失敗を繰り返そうが、うまくいかないことが99%であろうと、いつか1%にたどり着くと信じるだけです。

 

 

中国人の経営者の友人は、かなり多くいます。

ただ、今考えてみると、多くの会社に「目標」や「経営理念」がありません。

(それでも、売上はあがっているのですが。少なくとも今は。)

 

 

彼も「中国では、お金を稼ぐチャンスにかけるために起業する人ばかり。それがどの規模であるか、どこまで行きたいか、何がしたいか、どうなりたいかではないことが多い」と言っていました。

 

 

確かに、しっかりと地に足のついた素晴らしい経営者の方も多いと思いますが、中国では、日本や韓国に比べて、拝金主義に基づいた会社が多いように思います。

 

 

それなりに儲かっていると、尚更、考えなくなるのかもしれません。

 

 

改めて見直させられました。