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Unbot Group CEOのブログ。中国の最新市場動向を上海から発信。越境EC・訪日インバウンド・WeChat・Weibo・EC(タオバオ)etc...

【中国投資家(VC)市況】中国の2016年のベンチャー投資市場は、冷え込んでるのか?

中国の2016年のスタートアップ投資市場は、冷え込んでいるという話を聞いたので、少し詳しく調べてみました。

 

www.199it.com

 

創投圏(VC.CN)の2017年1月16日に発表した<2016中国ベンチャー投資業界の年度市況レポート>を見つけたので、こちらをご紹介します。

 

 

<2005年〜2016年中国ベンチャー投資市場状況比較

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このレポートによると、

2010年までは、年間200〜350億元(3,000億円〜5,500億円)程度で、件数も1,000件以内で推移。

2011年に急増してから、右肩上がりに増加傾向にあり、2015年には激増して1,293億元(約2兆円)、件数も3,445件に増加しています。

 

2016年はというと、2015年からほぼ横ばいで、1,254億元(約2兆円)、3,440件となっています。

微減といったところでしょうか。

 

この微減の状況で、投資家に「ベンチャー投資市場は、冷え込んできたのか?」というアンケートを実施した結果、約半数が「まだ冷え込んでいない」と答え、30%が「なんとも言えない」、15%が「既に冷え込んできている」と答えたようです。

 

 

<2016年中国融資案件業界カテゴリ分布>

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融資案件の業界分布では、

1位:エンタメ 12.53%

2位:企業サービス 12.26%

3位:ネットショッピング(EC) 11.55%

4位:金融 9.90%

5位:医療・健康 7.82%

となっています。

 

エンタメは、映客(インカー)や斗鱼(ドウイー)などの生放送(直播)アプリが多いと思います。

企業サービスは、滴滴(didi)やmobikeのような配車アプリや、シェアサイクルのようなサービスでしょうか。

ネットショッピングは、小红书(RedBook)のようなネットショップモールやEC店舗アプリだと思います。

 

 

 

 

<ベンチャー投資家の注目するラウンド>

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注目されている投資ラウンドは、

1位:Aラウンド

2位:Pre-Aラウンド

3位:エンジェルラウンド

4位:Bラウンド

となっています。

 

意外とエンジェルラウンドが3位なんですね。

中国だとエンジェルラウンドが多いイメージがありましたけど、投資市場が大きい分、リスクが大きく、なかなかエンジェルラウンドに張りづらいってことなんですかね。

 

とはいえ、2016年の中国エンジェル投資件数は、2015年の2,075件よりも減少しているものの、投資金額は、121.92億元(約1,900億円)と、2015年の101.88億元(約1,600億円)よりも約20%も増加しています。

 

これは、初期のエンジェル投資を必要とする起業家にとっては嬉しいデータかもしれないですね。

 

 

 

<ベンター投資家が毎週平均で見ている投資案件数>

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約半数が、1件〜10件程度の投資案件を見ているとのこと。

更に、31.2%が11件〜20件、17.6%が20件以上も見ている。

 

正直、日本のベンチャー投資家がどの程度、毎週見てるか分からないですけど、どう考えても、中国のベンチャー投資家の精査数が圧倒的に多そうな感じがしますね。

 

 

<2016年中国ベンチャー投資参加機関数>

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2/3の投資ラウンドが、1社での投資のようですね。

続いて、2社、3社、4社以上となっています。

 

 

 

 

<ベンチャー投資案件はどこから来るのか?リファラー>

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ベンチャー投資家が、投資案件を知るきっかけは、

1/3が自ら探していて、1/3が友人の紹介、残りの大半がファイナンシャルアドバイザー経由のようです。

 

何れにしても、ほとんどが結構アナログな感じですね。

意外と、そういう投資家と起業家が出会うプラットフォームのようなものが存在しないってことなのかな。

 

 

<2016年注目の投資案件>

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1位:映客(インカー)

生放送(直播)アプリの映客(インカー)がダントツの1位ですね。

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www.inke.cn

 

 

 

2位:摩拜単車(モバイク)

5位:ofo

2位の摩拜单车(モバイク)も5位のofoも、共に、レンタサイクルサービスですね。

 

2016年には入ってから、上海でもシェアサイクルが街中で激増してて、僕もたまに使ってます。

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mobike.com

www.ofo.so

 

 

 

3位:VIPKID

3位のVIPKIDは、アメリカの正規の英語の授業を1対1形式で、オンラインで受けられるサービスですね。

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www.vipkid.com.cn

 

 

 

4位:Keep

4位は、「運動測定」と「ソーシャル」が連動したアプリですね。

これは、僕も知らなかったです。ソーシャルと連動してるので、流行りそうですね。

 

 

www.gotokeep.com

 

 

6位:papi酱(パッピーちゃん)

6位のpapi酱(パッピーちゃん)は、中国では非常に有名なネット有名人です。

短編動画の配信で人気が出て、2016年3月には1,200万元(1.8億円)の投資を受けています。

 

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●参考ソース

www.199it.com

 

 

 

●関連ブログ

sugarmonkey.hatenablog.com

sugarmonkey.hatenablog.com

sugarmonkey.hatenablog.com

 

【中国農村】中国のネットショッピングは、農村の年収を急増させている?

先日1月8日に放送されたNHKの特別番組

NHKスペシャル | 巨龍中国14億人の消費革命~爆発的拡大!

の中でも、大きく取り上げられていた中国の農村ECの現状。

 

www6.nhk.or.jp

 

 

■YouTube

www.youtube.com

 

 

この番組内にも登場する、中国中のチャイニーズ・ドリームを掴もうとする若者が集まる【タオバオ村】は非常に面白かったですね。

 

 

さて、番組内にも出てますが、中国の農村では、まだまだ所得は低く、平均年収が17万円とも言われています。

 

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そんな中、先日、アリババの研究機関と西南財経大学が発表した調査結果<農村ネットショッピング研究報告2016>によると、

2016年上半期の農村ネットショッピング小売総額は3,160億元(約5兆3,000億円)を超え、前年同期比13.48%の成長しており、都市部を4%も上回っているようです。

 

年間でいうと、10兆円を軽く超えてくるわけですね。

日本のB2CのEC市場規模が、約13.8兆円なので、日本のEC市場規模並みに成長してるということです。

日本は、前年比7.6%で成長してますが、中国の農村では13.48%成長。

2倍近くの成長速度です。

 

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↑【四川省川北県の農村タオバオ村】

 

 

更に、注目すべきは、

ネットショッピングが、農村の世帯平均年収を2万500元(約34万円)、農村の家庭資産を21.3万元(約360万円)も引き上げているという調査結果。

 

中国家庭金融調査センターの報告では、「データ上、ネットショッピングは農村の経済発展に大きく貢献しており、今後2、3年で更に、その傾向は強くなるだろう。」としています。

 

農村のネットショッピング規模は、全国のネットショッピング小売総額に占める割合も急増しており、2016年上半期には14.14%に到達。

 

農村ネットショッピング市場の特徴は、2点!!

●1点目

農村ネットショッピング小売総額は急激に成長しており、2016年度の上期では、都市部のネットショッピング小売総額の成長率を4%も上回っている。

 

都市部ですら、10%前後の急成長を毎年続けているのに、農村のネットショッピングは、すごい伸び方をしてますね。

 

●2点目

タオバオ村が急激に増加している。

2015年に全国のタオバオ村の数は、780件だったのに対して、

2016年には、既に1,311件にまで68.1%も増加している。

 

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1年で、タオバオで販売するための村が500件以上も増加するスピード感がスゴすぎますね。。。笑

 

中国のこういった活力とスピード感には、本当に圧倒されるし、感心させられます。

 

 

農村のネットユーザー数は、2018年に2億4,000万人に達すると言われていて、更に、ネットユーザーに占める、ネットショッピングユーザー数も60%を超えると予測されています。

 

都市部と農村では、購入する商品の趣向が明らかに違うと思うので、その辺りも考慮した商品選定や広告戦略は、今後更に重要になってきそうですね。

 

 

ネットショッピングが農村で発展すると、物流やPC教育、ネットインフラ、金融サービス等のインフラ面が急激に整備されていき、農村エリアの生活が飛躍的に向上するといったメリットもあるようです。

 

アリババは、こういった農村エリアの出稼ぎ労働者が、農村で留守番をしている子供達と無料でビデオチャットができるサービス拠点を各所に設けているようです。

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↑【湖北省嘉鱼界石村のタオバオサービスステーション

 

中国は、1978年の鄧小平の【改革開放 - Wikipedia】から急激に成長してきましたが、【先富論 - Wikipedia】に基づいて、条件の整ったところから先に豊かになってきた影響で、農村部は取り残されていました。

 

ここへきて、ネットショッピングの力で、農村部にも【先富論】の恩恵が波及してきたのかもしれません。

 

中国政府は、これまでもこの広大な国土と14億人の国民の不満を反らすために、反日教育やエンタメ推進など、細心の注意を払って政治的な不安分子を排除してきましたが、ネットショッピングは、農村部の豊かさを押し上げて、思わぬ安定を生むかもしれませんね。

 

こういう記事を見ると、中国の潜在力の底知れなさをいつも感じます。

 

 

 

 

 

 

●参考ソース

www.199it.com

 

●改革開放

改革開放 - Wikipedia

●先富論

先富論 - Wikipedia

●鄧小平

トウ小平 - Wikipedia

 

●YouTube NHKスペシャル | 巨龍中国14億人の消費革命~爆発的拡大! 

 

 

 

www.youtube.com

中国ネットショッピングモール第2位の「京東(JD.com)」では、どんな物が、どれぐらい売れてるの? 物流がスゴいってホント?

『京東(JD.com)2016年第3四半期 業績』

中国ECモール市場で、アリババの天猫に次いで、第2位の京東(JD.com)が、2016年第3四半期の業績を発表しました。

 

このエントリーは、第2弾です。

第1弾は、こちらにエントリーしたので、ご覧下さい。

sugarmonkey.hatenablog.com

 

 

さて、第2弾は、

①京東(JD.com)は、どんなカテゴリの商品が、どれぐらい売れてるのか?

②京東(JD.com)の物流はそんなにスゴいの?

③京東(JD.com)は、どんな所に注力してるの?

といった内容をご紹介したいと思います。

 

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まずは、

 

①【京東(JD.com)は、どんなカテゴリの商品が、どれぐらい売れてるのか?】

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京東(JD.com)の取引額は、順調に増加!!

 

【自営店とPOP店のGMV比較】

◎京東(JD.com)の自営店取引額(GMV)

説明:京東(JD.com)が代理商となって、買取販売する小売出店形式

 

868億元(1兆4,565億円)

前年同期比 42%増

 

 

京東(JD.com)のPOP店取引額(GMV)

説明:京東(JD.com)のモールに直接出店して販売する形式(自社販売)

 

688億元(1兆1,544億円)

前年同期比 56%増

 

 

 

 

【「電子機器・家電」と「日用品・その他」のGMV比較】

京東(JD.com)の「電子機器・家電」取引額(GMV)

773億元(1兆2,970億円)

前年同期比 36%増

 

京東(JD.com)の「日用品・その他」取引額(GMV)

783億元(1兆3,138億円)

前年同期比 61%増

 

 

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「電子機器・家電」と「日用品・その他」が、2大カテゴリ

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全体的に、取引額(GMV)は30%〜60%増と急成長している。

「日用品・その他」カテゴリのGMVが前年同期比61%増と、「電子機器・家電」カテゴリの成長率(36%)を大幅に上回っている。

 

 

 

 

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京東(JD.com)の物流はそんなにスゴいの?

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中国のネットショッピング領域では、最大規模の自社物流システム

 

 

◎大型倉庫の運営棟数

254棟

※2016年9月30日時点 

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◎倉庫施設の延べ面積

550万平方メートル

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③京東(JD.com)は、どんな所に注力してるの?

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ウォルマートと資本提携

2016年10月に、ウォルマート傘下のネットスーパー最大手「1号店」を、京東の5%の株式と交換する形で、買収しました。

そこで、ウォルマートは、旗艦店を単独で京東に出店しました。

また、ウォルマートの越境EC旗艦店を京東グローバルモールに出店しました。

更に、中国国内のウォルマートの実店舗を通じて、京東の速達サービス「京東到家(ジンドン ダオジャー)」の配送を行い、都市部で2時間以内の速達を実現させました。

 

 

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キュレーションニュースアプリ大手「今日頭条(ジンリー トウティアオ)」と戦略的パートナーシップ締結

2016年9月に、キュレーションニュースアプリ大手の「今日頭条」と戦略的パートナーシップを締結し、互いに保有してるユーザーデータを活用したターゲティング広告を共同で開発。

 

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大手人気ブランドとの「スーパー ブランド デイ」キャンペーンを実施

デルやフィリップス、小米(シャオミー)などの大手人気ブランドと「スーパー ブランド デイ」という大型のキャンペーンを実施し、圧倒的な売上と知名度拡大に貢献。

 

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世界最大の家族経営ブランデーブランド「バカルディ」と戦略的パートナーシップを締結

世界最大の家族経営ブランデーブランド「バカルディ」と戦略的パートナーシップを締結し、中国国内でのネット販売を加速。

 

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【見解】

 

京東(JD.com)は、もともとパソコンや液晶、その他、家電等を専門に販売するネットモールとして急成長して来たので、「電子機器・家電」カテゴリは以前から非常に強かったです。

 

ただ、「電子機器・家電」カテゴリのGMVで、昨年、アリババが運営する天猫(Tmall.com)に、遂に抜かれてしまいました。

 

そこで、京東(JD.com)の「自社物流」という強みを最大限に活かせるカテゴリである「日用品」に圧倒的な投資をすることにしたようですね。

 

「日用品」カテゴリの商材は、京東にとって、天猫に勝る、2つの圧倒的な強みがあります。

 

●1つ目の強み

自社物流による、圧倒的な速達

 

日用品は、シャンプーやオムツ、トイレットペーパー等、特性上定期購入する商品が多く、且つ、緊急性が高いため、すぐに欲しい場合に非常に物流が重要。

●2つ目の強み

徹底した真贋調査による、本物補償イメージ

 

日用品は、口に入れたり、肌に付ける物が多いため、商品が本物である事が非常に重要。

 

 

上記、「2つの強み」は、京東が天猫に勝っている特徴で、この「2つの強み」が日用品との相性が良いため、非常に好調なGMVを維持していると思います。

 

 

また、その戦略から、日用品に圧倒的な強みがある、ウォルマート傘下の「1号店」を買収し、ウォルマートとも資本関係を結び、非常に積極的に、日用品カテゴリのユーザー囲い込みを進めています。

 

 

天猫の「天猫超市(ティエンマオ チャオシー)」という、スーパーのチャネルを持って対抗していますが、今の所、まだ、京東に優位性があるようです。

 

 

今後も、京東がこの2つのカテゴリのシェアを獲得していく上で、積極的な投資を行って行くと思われます。

 

 

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↑このエントリーの第1弾はこちら↓

【中国ECモール大手「京東(JD.com)」の2016年第3四半期 決算がスゴいw】

sugarmonkey.hatenablog.com

 

 

 

【参照ソース】

www.linkshop.com.cn

 

 

 

 

中国ECモール大手「京東(JD.com)」の2016年第3四半期 決算がスゴいw

 

『京東(JD.com)2016年第3四半期 業績』

 

中国ECモール市場で、アリババの天猫に次いで、第2位の京東(JD.com)が、2016年第3四半期の業績を発表しました。

 

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京東は、アメリカのナスダックに上場しているので、アメリカ会計基準(GAAP)に基づくと、

 

【2016年第3四半期(7月〜9月)】

【主要サービス(JD.com運営)の業績は順調に成長】

●売上高

607億元(1兆185億円)

前年同期比 441億元(7,399億円)38%増

 

●売上高総利益(粗利)

96億元(1,610億円)

粗利率:15.8%

 

●営業利益

8億790万元(135億5,650万円)

前年同期比 5億349万元(84億4,850万円)51%増

 

※1元=16.78円(1月11日レート参照)

 

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【京東の経常利益】

前年同期-1.796億元(30億1,368万円)の赤字に対して、今期4.010億元の黒字 

 

 

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【京東モールの経常利益率】

前年同期0.7%に対して、今期1.1%伸張 

 

 

 

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【純利益】

前年同期に対して、今期10倍以上の増加 

 

 

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【京東モール(JD.com)のGMV(取引総額)】2016年第3四半期

GMV(取引総額):1,588億元

前年同期比43%増加

※スマホ通話料チャージ等のデジタル商材を除くと、1,556億元 前年同期比47%増加

 

 

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【京東モール(JD.com)の年間アクティブユーザー数】2016年第3四半期

年間アクティブユーザー数:1億9,870万人 前年同期比57%増加

 

 

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【京東モール(JD.com)の注文数】2016年第3四半期

注文数:4億120万件 前年同期比55%増加

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【京東モール(JD.com)のモバイル端末購入比率】2016年第3四半期

モバイル端末購入比率:79.7% 前年同期比110%増加

 

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やはり相当伸びてますね、GMVも売上も利益も

 

中国版LINEのWeChatを運営するテンセント(腾讯)との資本提携で、WeChatとの連携も強化されてる上に、昨年のネットスーパー最大手の「1号店」買収で、日用品の売上も急増してます。

 

京東は、北京に本社があり、北部には強いものの、華東地区や華南地区に弱かったですが、「1号店」の買収で、これらのエリアもカバーできるようになりました。

 

更に「1号店」は元々、アメリカウォルマートの傘下だったので、ウォルマートとの連携も強化され、非常に勢いがあります。

 

打倒アリババ(天猫、タオバオ)で、強力なエコシステムをテンセントと構築していってるので、今後も更に伸びて行く事が予想されます。

 

また、京東は、そもそもAmazonを真似たようなモールで、自社物流に非常に強く、物流網の構築にも莫大な予算を投資しています。

 

Amazonのように、短期利益よりも長期での成長を重視しているため、四半期の利益はあまり参考にならないですが、GMVやアクティブユーザー数、売上が急激に伸びているのは、それなりに投資が上手くいっていると言えるかもしれません。

 

非常に楽しみです。

 

上記の業績レポート以外にも、ユーザー数やカテゴリ別のGMV状況のレポートも出ているので、また、まとめて報告しようと思います。

 

 

【参照ソース】

www.linkshop.com.cn

 

 

【2016年】中国でネットショッピングをするのは男性?それとも、女性? 年齢層は?

2016年に中国でネットショッピングを多くしていたのは、男性?それとも、女性?

よくネットショッピングをしている年齢層は?

 

タオバオやTmallを運営しているアリババの研究機関である、「阿里研究院」が2016年のデータをまとめてくれていました。

 

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中国のネットショッピング人口は、女性よりも男性のほう多い。

但し、女性はネットショッピングで沢山お金を使っている。

 

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●2016年の中国ネットユーザー数の性別

女性:47%

男性:53%

 

男性のほうが、女性よりもネットユーザーが多い傾向にあります。

ちなみに、この傾向は、ネットの普及期からずっと継続していて、近年、女性のネットユーザー数がドンドン増えて、ここまで僅差になってきています。

 

注釈:上記データは、2016年6月迄のタオバオ上のデータを基にしています。

   全ネットユーザー対象ではないので、予めご了承下さい。

 

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●2016年、中国ネットショッピングユーザーの男女比率

女性:49.4%

男性:50.6%

 

ネットユーザー比率では、女性が47%と低かったの対して、ネットショッピングユーザー比率では、49.4%まで上がっています。

 

男性よりも女性のほうが、ネットユーザーに占める、ネットショッピングユーザーが多い事が見て取れます。

 

やはりお買い物が大好きですねw

 

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●2016年、中国ネットショッピング消費額の男女比率

女性:52%

男性:48%

 

あらら・・・驚

ネットショッピング消費額になると、なんと女性がわずかながらも抜いてしまいました。。

 

女性のネットショッピング消費欲恐るべしですw

 

ここまで見て来て分かるように、ネットユーザー自体は男性のほうが多いですが、ネットショッピングでは、ユーザー数はほぼトントンで、消費額では女性のほうが多く、ネットショッピングのターゲットとしては、女性のほうが消費しやすい事が見て取れますね。

 

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●中国の女性ネットショッピングユーザーの年齢分布

1位:24歳以下 31.2%

2位:25歳〜29歳 25.4%

3位:35歳〜44歳 18.3%

4位:30歳〜34歳 15.6%

最下位:45歳以上 9.3%

 

29歳以下が全体の56.6%も占めています。

 

まず、この結果を見て最初に思ったのは、

タオバオユーザーのデータの影響が、かなり強いのではないか?ということです。

 

タオバオは、「C2C」で、「豊富な品数」と「安さ」が一番の売りになっているネットモールなので、B2Cの天猫やJDに比べると「本物志向」よりも「値段志向」のユーザーが多く、年齢層もかなり低くなりがちです。

 

この影響から、29歳以下の割合が56%も占めているように思います。

 

ただ、驚いたのは、30代前半よりもアラフォーの比率が高い事です。

年齢層が低いほうがネットショッピングのような新しいサービスへの浸透が早いのは理解できますが、3位、4位では逆になっています。

 

もしかすると、各年齢層の購買商品カテゴリの違いが大きく影響しているかもしれません。

 

例えば、30代前半の方は、小さい子供がいる過程が多く、マタニティカテゴリの商品では、「値段志向」よりも「本物志向」が優先され、タオバオ以外の「信頼出来る」JDやTmallなどのネットモールでの購買傾向が多くなる。等です。

 

この辺りの、ネットモールの使い分けについても、次回ご紹介していきたいと思います。

 

 

【データソース】

199IT 中文互联网数据咨询中心(中国語インターネットデータコンサルティングセンター)

www.199it.com

 

 

 

【2017年】新年明けましておめでとうございます。

新年明けましておめでとうございます。

昨年中は、大変お世話になりました。

本年もどうぞ宜しく御願い致します。

 

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さて、2017年は僕にとっても、会社にとっても、圧倒的に【超えていく】1年にしていきたいと思っています。

 

【超えていく】

・今の事業領域を【超えていく】

・個人の限界を【超えていく】

・業界の競合を【超えていく】

・今のコミュニティを【超えていく】

・今の予想や目標を【超えていく】

 

つまり、新しいステージ、新しい世界に挑戦していくということです。

 

と同時に、2020年の飛躍に向けて、「土台」「基礎」を作る1年にしたいと思います。

 

2014年、15年、16年と、おかげさまで、弊社もドンドンと、お客様が増え、サービスや従業員も増えていく中で、社会的な責任もますます大きくなってきたことを実感しています。

そこで、僕個人としても、【社会の公器として、本当の意味で長く社会に求められ、貢献できる会社】であり続けたいという思いが日に日に強くなってきました。

 

そこで、unbot inc.(アンボット)は、今年から本気で、常に市場からの事業評価を受ける立場である上場企業となって社会に意義のある事業をする会社でありつづけたいと思うようになりました。

 

弊社では、【世界で一番多くの想い出を創造する会社】という企業理念と【最高の顧客体験を演出する会社】というMiddle Visionを持っています。

 

この理念の根源は、僕が大学3回生時の北京留学で感じた「物」や「サービス」、「体験」を通した素晴らしい「想い出」があれば、きっと国籍や国境、宗教に関係なく、人は繋がれるという信念から来ています。

 

上場企業を目指す事は、非常に多くの困難・課題を伴う事になると思いますし、上場後は、更に多くの困難に直面すると思います。

 

それでも、社会の公器として、社会に貢献できる機会を与えられる事は、それらの大きな困難をも上回るだけの大きな価値があると思います。

 

日本では昨今、海外志向が弱く、公務員等の安定職業が人気を集めていますが、僕が率先して「日本人が立ち上げた会社が海外でも活躍できるんだ!」という事を示して行く事で、少しでも日本の若者が海外に目を向ける機会になればと思っています。

 

僕が立ち上げて代表を勤めさせて頂いている法人は、現在、日本、中国、台湾、香港に其々1社ずつの合計4社ありますが、これまでは、日々のお客様へのサービスのご提供にだけ集中していて、会社や僕自身の知名度の向上や見え方についてほとんど考えて来ませんでした。

 

それは、日々お客様や消費者の方を向いて、真摯にサービスをご提供し続けていれば、見え方や知名度はそれほど重要ではないといった思いがあったからです。

 

ただ、今年からは、個人としても会社としても、知名度や見え方を意識して、もっと積極的に、且つ、質の高い情報を発信していきたいと思います。

 

会社も僕自身もまだまだ未熟ですが、これからもどうぞ宜しく御願い致します。

 

unbot inc.

中町

 

【独身の日(ダブルイレブン)速報】2016年:中国天猫(Tmall)の独身の日(双十一)のまとめ

【独身の日(ダブルイレブン)速報】

2016年中国天猫(Tmall)の独身の日(双十一)のまとめ

 

独身の日(光棍节)11月11日を記念して、天猫(Tmall)が始めた大型キャンペーン「双十一(ダブルイレブン)」が昨日開催されました。

 

●独身の日(双十一)の由来

独身の日は、中国では光棍节(guang gun jie)と呼ばれて、11月11日で「1」が並ぶ事から、寂しい独身の日とされていました。

ところが、独身者達が「寂しい独身から抜け出そう!!」という事で、「脱光(tuo guang)节」と名付けました。

脱光とは、「脱离光棍(tuoli guanggun)」。光棍(1人)から抜け出すという意味です。

中国語で、脱tuoは、「脱ぐ」。光guangは、「すっかり無くなる。空っぽになる。」

つまり、脱光の別の意味は、「丸裸になる(すっかり脱いじゃう)」

そこから、天猫(Tmall)が

脱光(丸裸)→売り尽くし(丸裸)というダジャレから、大型キャンペーンになりました。

 

 

さて、下記は、2016年天猫の「独身の日」の速報まとめです。

ちなみに、↓去年(2015年)の実績です。

※2015年(SMBC10/31TTM19.06)
18秒→1億元(19億円)
1分12秒→10億元(190億円)
12分28秒→100億元(1,906億円)
4時間26分31秒→362億元(2013年取引額) 6,899億円
9時間52分22秒→500億元 (9,530億円)
11時間50分→571億元(2014年取引額) 1兆883億円
24時間→912.17億元(2015年取引額) 1兆7,385億円

 

1元=15.65円(11.12.参考)

 

1億元(15億6,500万円)突破!! 20秒

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10億元(156億5,000万円)突破!! 52秒

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100億元(1,565億円)突破!! 6分58秒

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362億元(5,665億円)突破!! 1時間57秒

※2013年独身の日の取引額

※モバイル比率 84.3%

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500億元(7,825億円)突破!! 2時間30分20秒 

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571億元(8,936億円)突破!! 6時間54分52秒

※2014年独身の日の取引額

※モバイル比率 84.47%

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626億元(9,796億円) 10時間25分19秒

※2015年独身の日 モバイル取引額

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824億元(1兆2,895億円)突破!! 12時間29分26秒

※2015年の中国1日平均小売総額

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912億元(1兆4,272億円)突破!! 15時間19分13秒

※2015年独身の日取引総額

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1,000億元(1兆5,650億円)突破!! 18時間55分36秒

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1,111億元(1兆7,387億円)突破!! 22時間12分3秒

※本当の意味でW11(11月11日)を突破

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1,207億元(1兆8,889億円)!!

※2016年独身の日取引総額

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6億5,700万件

※2016年独身の日の受注数

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●独身の日まとめ

1億元(15億6,500万円)突破!! 20秒

10億元(156億5,000万円)突破!! 52秒

100億元(1,565億円)突破!! 6分58秒

362億元(5,665億円)突破!! 1時間57秒

※2013年独身の日の取引額

※モバイル比率 84.3%

500億元(7,825億円)突破!! 2時間30分20秒

571億元(8,936億円)突破!! 6時間54分52秒

※2014年独身の日の取引額

※モバイル比率 84.47%

626億元(9,796億円) 10時間25分19秒

※2015年独身の日 モバイル取引額

824億元(1兆2,895億円)突破!! 12時間29分26秒

※2015年の中国1日平均小売総額

912億元(1兆4,272億円)突破!! 15時間19分13秒

※2015年独身の日取引総額

 

1,000億元(1兆5,650億円)突破!! 18時間55分36秒

1,111億元(1兆7,387億円)突破!! 22時間12分3秒

※本当の意味でW11(11月11日)を突破

1,207億元(1兆8,889億円)!! 132%増

※2016年独身の日取引総額

 

 

●受注件数

6億5,700万件

※2016年独身の日の受注数

 

◆過去データ

2011年→52億元
2012年→191億元 前年比367%増
2013年→350億元 前年比183%増
2014年→571億元 前年比163%増
2015年→912億元 前年比159%増
2016年→1,207億元 前年比132%増

 

【ダブルイレブン速報】2016年:中国天猫(Tmall)の「独身の日」ダブルイレブン(双十一) 626億元(約1兆円)を突破

【ダブルイレブン速報】

2016年:中国天猫(Tmall)の独身の日、ダブルイレブン(双十一) 

2014年のダブルイレブン取引総額の571億元(約9000億円)を6時間54分で突破!!

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モバイル比率は84.47%

 

去年(2015年)は、モバイル比率が、68.67%だったので、今年は大幅に上がりそうですね。

毎年、0時〜6時までのモバイル比率が圧倒的に高いので、84.47%から下がって来ると思いますけど、それでも80%は超えると思います。

 

10時間25分で、2014年のダブルイレブン取引総額の626億元(約1兆円)を突破!!

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去年(2015年)同様に半日で、前年の取引額を超えそうな感じですね。

 

僕は、今年は、天猫ではなく、京東(JD)の北京本社で過ごしてます。

昨日は午前3時までデザイナーや運営担当10名とJD本社で作業。

 

みんな泊まり込みですね。

 

【ダブルイレブン速報】2016年:中国天猫(Tmall)の「独身の日」ダブルイレブン(双十一)は、なんと6分58秒で100億元(約1,550億円)を突破!!

【ダブルイレブン速報】

2016年:中国天猫(Tmall)の「独身の日」ダブルイレブン(双十一)は、

なんと6分58秒で100億元(約1,550億円)を突破!!

 

去年(2015年)は、33分で200億元を突破してましたけど、今年は、更に早くなりそうです。

 

【ダブルイレブン速報】2015年:中国天猫(Tmall)のダブルイレブン(双十一)は、なんと33分で200億元(約4,000億円)を突破!! - SHANGHAI★BASE

 

 

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ちなみに、10億元(約155億円)は、58秒で達成!!

1分もかかりませんでした。。。

 

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去年(2015年)の「独身の日」ダブルイレブンでは、921億元(約1兆4,200億円)を1日で達成しましたが、今年は、どこまで伸びるでしょうか。

 

毎年、約2倍に伸びているので、2兆円の大台も超えてきそうですね。

もしかすると、3兆円に到達するかもしれません。

 

楽しみです。

 

 

 

中国の農村ECは、2018年に1兆2,000億元(約20兆円)に到達

中国の農村ECは、2018年に1兆2,000億元(約20兆円)に到達

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2015年で約7,800億元(約1兆1千億円)
前年比で96%増

毎年倍増そてくんだな

今、EC市場規模全体でいくと、前年比で30%ぐらいの増加だから、農村ECの伸びはずば抜けてるな

タオバオも力入れて、PC使える営業所いっぱい作ってるし、JDもドローンで農村EC攻略の実験やってたりするし

これから、更に加速しそう




【中国EC事情】京東商城(JD)が、ウォルマート傘下のネットスーパー大手「1号店」を買収

一昨日、2016年6月20日、京東の一号店買収が正式に発表されました。

下記は、参考記事(日本語)になります。

jp.wsj.com

 

jp.wsj.com


こちらは、参考記事(中国語)になります。

finance.sina.com.cn

外媒称京东收购1号店剑指阿里:避免电商一家独大 - 中国日报网

zhuanlan.zhihu.com

 

↑この3つめの記事が面白いです。

「状況」
京東の5%の株式を一号店を買収したウォルマートに譲渡し、実質的に京東が一号店を買収した形になります。
天猫スーパーの攻勢に対抗する形で、一号店を傘下にしたと思われます。

また、アリババが、スーニンを傘下にして、京東の家電部門に攻勢をかけた事への対抗措置として、日用品部門での京東の影響力拡大を狙ったものと思います。

「考えられる変更」
京東と1号店の相互アクセスの増加(WeChatから京東にアクセ スを流しているような入り口の確保)
・京東と1号店の物流の統合(物流サービスの拡充)
京東と1号店の店舗運営の統合(管理画面の共有化等、京東店舗運営 で1号店の運営も容易になる等)
・京東店舗と1号店店舗のデータの統合

これで、

●テンセントチーム

WeChat

京東商城(JD)

易迅

1号店

ウォルマート

 

●アリババチーム

微博(weibo)

天猫(Tmall)

タオバオ

苏宁

 

になりましたね。

 

最近は、テンセント&京東商城(JD)のチームの勢いがいいなーと思います。

 

京東の話では、1号店の自営店の運営は、京東商城の自営店と統合されるようですし、相互補助がかなり強まっていきそうです。

 

1号店は、京東が弱いとされていた華東、華南エリアに強いですし、日用品関連のコアユーザーのリピートが非常に高く、会員の質も高いので、日用品カテゴリでは、かなり京東と1号店の統合で、京東のシェアが伸びそうですね。

 

1号店は、京東とそもそも同じモデルの、出店形式のマーケットプレイス型と代理商の自営店形式のハイブリッドなプラットフォームなので、統合しやすいと思います。

 

自社物流も充実してますし、物流の統合だけでもかなり効率的な運営になるんじゃないかと思います。

 

これから京東がどれだけシェアを伸ばしていくか楽しみです。

 

個人的な見解としては、「本物でないと困る物」や「即日配送で欲しい物」といったカテゴリの商品では、京東が伸びて行くんじゃないかと思っています。

 

例えば、

マタニティや化粧品、食品やトイレタリー、衛生商品ですね。

 

越境ECモール「考拉(コアラ)」の618大型キャンペーン成果報告

越境ECモール「考拉(コアラ)」の618大型キャンペーン成果報告

 

先日の618について、
ネットイーズ(网易)のコアラ越境ECモールの成果発表が記事にでていたので、共有。

 

コアラ618戦報:

m.ebrun.com



◆コアラ618戦報:
618当日の売上(GMV):872%(前年比)
618当日の客単価198%(前年比)
モバイル比率:90%
杭州・宁波保税区出荷量:1位
618スタートから半日で、韓国MEDIHEAL美容マスクの注文数:70 万件以上

618では、2,3級都市(湖北・湖南・陕西・四川等)が1級都市を超える成長スピードを記録。
コアラの越境EC責任者の話では、2015年に越境ECの大きな成長があってから、
海外商品を購入するのに比較的成熟した消費者が増加してきた。
業界者の話では、2018年には越境ECの市場規模は、1千億元を超える規規模に成長し、
2,3級都市の消費量が増加する見込みなため、如何に2,3級都市の消費者の信頼を獲得するかが重要課題となっている。

 

最近は、4月8日の税制改正や、円高、EMS値上げ等のネガティブ要素が多くなって、今後の市場の発展性に疑問を持つ人が多くなってるように感じますが、個人的には、短期的な鈍化した程度であって、長期的には何れにしても市場規模は拡大していくと思ってます。

 

問題は、どれぐらいのスピードでの成長を維持して行くのかといった、時間軸の話なのかなと。

 

とはいえ、円高はダイレクトに商品価値へのハードルをあげてしまうので、一番のボトルネックなのでしょうけど。

 

 

 

【本BLOG筆者】

株式会社unbot(アンボット)

代表取締役

中町秀慶(なかまち ひでのぶ)

東京・福岡・上海・台北・香港で、大手日系ブランドの越境EC/中国EC店舗運営や公式SNSアカウントの運営を行っている。

2016年度の㈱unbotグループで運営するEC店舗の流通額は、12億元(200億円)を突破。上海在住9年目。

 

BLOG:SHANGHAI★BASE

㈱unbot WEB SITE:株式会社unbot

㈱unbot Facebookページ:https://www.facebook.com/unbotinc/

㈱unbot インスタグラム:https://www.instagram.com/unbot_inc/

Twitter:中町秀慶@上海 (@hidenobuN) | Twitter

 

2015年:中国ネットショッピング取引額は3.8兆元(約64兆円)に到達(同期比36.2%)

●2015年に中国のネットショッピング取引額は、3.8兆元(約64兆円)に到達して、前年比で36.2%の高い成長を実現。

 

販売商品のカテゴリの拡充や物流、アフターサービスの充実。

更に、越境ECや農村ECといった新しいエリアの市場の開拓も進んだのも大きな影響だと思います。

 

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今でも約64兆円の取引規模があって、世界の約40%を越える取引が行われていますが、わずか3年後の2018年には、この規模が約2倍になって、7.5兆元(約127兆円)に到達する見込みです。

 

毎年20%〜30%の成長が見込まれているんだから、そうなりますね。。。

 

●2015年に初めて、B2Cの取引規模がC2Cの取引規模を越えて51.9%に到達

 

B2Cのネットショッピング市場規模は、前年比で56.6%成長し、C2Cは19.5%と大きな差がでています。

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今後もB2Cが伸び続けていき、2018年には、約7割がB2Cに移行する事が見込まれています。

 

 

●B2Cネットショッピングの各プレイヤー毎の取引規模は、

1位:天猫商城

2位:京東商城

の部分は大きく変わらず、安定の成長を続けています。

 

逆に、3位の蘇寧電器から後ろのECプラットフォームは大きな差がついていなくて、競争がかなり激化している状況です。

 

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ただ、その中でも、下記のサイトが伸び率が高いようです。

 

www.jd.com

www.suning.com

www.gome.com.cn

www.vip.com

 

2015年の中国モバイルECの出来事の振り返り

2015年は、中国におけるモバイルECの急激な発展の1年となりました。

 

●政府の後押し

2015年3月5日に、李克強首相の発表した「インターネット+(互联网+)」という行動計画でも

・モバイルネット

・クラウド

・ビッグデータ

・IoT

等の注目されるテクノロジー分野に加えて、ECの健全な発展も推進することがレポートに盛り込まれていました。

 

また、国務院から5月7日と6月20日に発表された「E-Commerceの健全な発展を促進する意見書」、「越境ECの健全な発展を促進する指導要領」によって、EC分野は政府の後押しを受けて、順調に発展を遂げていきました。

 

2015年中国モバイルECユーザー規模 3.64億人に到達

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2015年:3.64億人(前年比23.8%増)

2016年:4.14億人(前年比13.7%増)

2017年:4.53億人(前年9.4%増)

2018年:4.88億人(前年比7.7%増)

2015年:3.64億人(前年比23.8%増)

 

 

2018年ネット小売市場全体に占めるモバイルECが75%を突破

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●ECの日

2015年の「独身の日(ダブルイレブン)」では、天猫Tmallが912.17億元(約1兆8,000億円)を売り、そのうちの68.67%の626.42億元(約1兆2,000億円)がモバイルからの売上となりました。

中国EC2位の京東商城(JD.com)も100億元(約2,000億円)を売り、モバイル経由の売上が74%を占めました。

日本でも有名な「独身の日(ダブルイレブン)」以外にも、京東商城(JD.com)の開設記念日の6月18日にちなんだ、「618」や12月12日の「W12」、それから、アメリカの「ブラックフライデー」等の大型の「ECの日」が増加し、急激に発展を遂げています。

 

モバイルEC業界分析ーーー「独身の日(ダブルイレブン)」

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左上:天猫 912.17億元(前年比40%増加) モバイルEC比率68%

右上:京東(JD) 100億元(前年比130%増加) モバイルEC比率74%

左下:蘇寧(スーニン) 前年比358%増加 モバイルEC比率67%

右下:聚美(Jumei) 前年比112%増加 モバイルEC比率67%

 

 

●猫狗大战(猫犬大戦)

8月10日に天猫や淘宝を運営するアリババグループが、中国EC業界4位の「蘇寧(スーニン)」に対して、出資し、第2の大株主になりました。

その結果、アリババにとって競合にあたる業界2位の京東商城(JD.com)に対抗するため、家電量販店である「蘇寧(スーニン)」を通して、全ての商品で京東商城よりも安くし、大量販売の商品については、京東商城よりも20%安くする事を宣言しました。

業界では、「平京战役」と呼ばれている出来事です。

これに対抗するため、京東商城は、資本関係にあるアリババの最大ライバル「テンセント」と共同で、「京腾计划(JDテンセント計画)」を発表し、京東商城ではテンセントと共同して、ブランドの知名度と信用度を高める「品商」と呼ばれるプラットフォームの構築を宣言しました。

 

2015年中国モバイルEC市場シェア

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首位はダントツで、アリババグループの天猫と淘宝。

2つのプラットフォームを併せると、81.5%に到達

2位は、やはり京東商城(JD)で12.8%

3位は、フラッシュセール最大手の唯品会(VIP.com)で1.5%

 

去年の「独身の日(ダブルイレブン)」のモバイル経由の比率を見ると京東商城が一番高いので、モバイルへの移行は比較的スムーズに進行しているように見えるけど。。。

 

さすがに、天猫と淘宝の2つを併せると、京東商城もここまでシェア落ちるんですね。

 

 

 

●O2O業界の淘汰

O2O業界で過去にないレベルの大型の合併が相次いだ1年になりました。

市場で圧倒的なシェアを誇る配車アプリの「嘀嘀打车」「快的打车」が合併(2月14日)

これにより、この2つのアプリの市場シェアは90%以上とも言われています。

ちなみに、其々、上記最大競合にあたる「アリババ」と「テンセント」が出資していました。

この2社のライバルとも言われる検索エンジン最大手の「百度」は、アメリカの配車アプリ「Uber」に出資しましたが、完全に乗り遅れた感じです。

その他、O2Oの地域情報アプリ「58同城」と「赶集」も合併(4月17日)

グルーポンの巨人「美団」とレストラン情報サイト最大手「大衆点評」も合併(10月8日)

O2O分野では、めまぐるしい業界の変遷がありました。

 

●モバイル決済の浸透

2015年以降、モバイル電子決済は、アリババグループの「アリペイ(支付宝)」とテンセントグループの「WeChatペイメント(微信支付)」の普及とともに浸透し、レストラン、スーパー、コンビニ、デリバリー、ショッピングモール、空港、美容院、映画館、タクシー等あらゆる場所で利用できるようになりました。

 

2013年ー2015年 中国モバイル電子決済規模

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2015年の春節(旧正月)に、中国のお年玉を送り合う習慣を利用したアリババとテンセントによる「红包大战(ホンバオダージャン)」で、一気にモバイル電子決済が普及し、その後習慣化したことによって、一気に底上げが発生。普及しました。

 

 

2015年モバイルネットユーザーの53.6%がモバイルECを経験

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モバイルネットユーザーに占めるモバイルEC経験者の割合は、約半数の53.6%程度。

思ったより少ないですね。モバイルEC経験者はECヘビーユーザーが多そうですね。

モバイルECを利用しない理由

1位:情報の安全性が心配  35.6%

2位:電子決済安全性が心配  31.1%

3位:モバイルECのやり方が分からない 22.2%

4位:モバイルECを利用する習慣がない 20.0%

5位:ネット環境が悪い 15.6%

 

どうやら安全性が一番の壁になってるようですね。

ただ、中国でそんなことまで気にしてる人がいると思わなかったです。

恐らく、年齢別で見ると全く違った理由になっているんだろうと思います。

 

↓これは、上海の街角にある、リヤカーでお皿やマグカップを売っているおばちゃんの写真です。リヤカーもモバイル電子決済(アリペイとWeChatペイメント)対応です。

 

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とにかく、去年(15年)と今年(16年)がモバイルECでの圧倒的な発展の時期になりそうですね。

 

実際にこの普及状況は、上海で生活する私としても、肌で感じます。

 

2015年は確かに、急激にモバイル電子決済を利用し始めた人も増えたし、利用できる場所も増えたように思います。

 

中国ECでは、完全にスマホファーストが基本中の基本ですね。

 

 

【中国ネット決済】遂に中国でApplePayがサービス開始・・が、苦難の道では?

アップルが今日、正式に「Apple Pay」を開始したとのことです。

 

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下記、アスキーからの引用。

 

『アップルは中国において、決済サービス「Apple Pay」を正式に開始した。

アップルは2月17日(現地時間)、iPhoneで決済できるサービス「Apple Pay」を中国に拡大したことを公式サイトで公表した。

現在、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアで提供されており、中国が5ヵ国目となる。

Apple Payは、iPhone 6/6 Plusから搭載されている非接触型の決済サービス。あらかじめクレジットカードや銀行カードなどの情報を登録しておくことで、ショッピングの際にiPhoneをかざして指紋認証(Touch ID)で決済できる。

中国で開始されたApple Payでは、国内で唯一のカード会社「China UnionPay」(中国銀聯)のクレジットカードとデビットカードをサポートするという。なお日本での提供は未定だ』。

 

個人的には、この部分だけはいくらアップルでもWeChatペイメントが既に生活インフラになっているため中国市場での普及は難しいんじゃないかなと思っています。

 

 

WeChatペイメントは、Wechat(微信)※(中国でのLINE みたいなもの)から派生したもので、 先日の記事の紅包でお年玉をチャットで送り合うように、中国ではものすごく電子マネー文化が浸透しています。

 

ちなみに、これはちょっと古いですが、2015年6月の映画チケットを購入する際の電子決済シェアのデータです。

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中国市場での移動端末での(スマホ等)による電子マネー取引は2011年から2014年の間で、73.69%から134.3%の成長率。

 

また、2013年にはスマホでの支払いが1.25億元(25.1%)だったのに対し、2014年には2倍の2.17億元(39%)。

 

中国で電子マネーというと主に支付宝(アリペイ)・微信支付(WeChatペイメント)。

あと、百度钱包。

ただ、ダントツで今、伸びてきているのが微信支付(WeChatペイメント)だと思います。

 

これは、僕の感覚値も入ってますけど、圧倒的だった支付宝(アリペイ)が、テンセントの微信支付(WeChatペイメント)に抜かれる可能性が本当にあると思っています。

 

微信支付(WeChatペイメント)は、アクティブユーザー数6億人を誇るチャットアプリWeChatのIDがベースなので、名刺代わりのWeChatさえ知っていればお金のやり取りが簡単にできてしまう。

 

一方、支付宝(アリペイ)は、個人間のお金のやり取りは、電話番号やメアドが必要です。

ちょっとした事ですけど、この手間が大きな違いになります。

僕の携帯の電話帳を見ても電話番号を知っている友人よりもWeChatのアカウント知ってる人の方が圧倒的に多い。

電話番号は知らないけど、WeChatだけ知ってる。

まして、メアドなんて知らない人がほとんど。

 

これが圧倒的な優位性です。

 

先日、友人が駅の切符売り場で切符を買う現金を持ち合わせていなかった見知らぬ人に「Wechatで10元あげるから現金くれないか」と依頼をされてました。

 

それくらい電子マネーが当たり前になっているんですね。

 

他にも コンビニで何か購入した時にこの「クイックペイ」をレジで見せる→バーコードをスキャンしてもらって終わり。

 

すると、お店側から「購入ありがとうございました」的なメッセージがWeChatから来ます。 コンビニだけでなく、飲食店、デパート、喫茶店、デリバリー等、微信支付(WeChatペイメント)はほぼ浸透しています。

 

なんでこんなに浸透するのか? 店舗側にとっては、これを導入することによって顧客情報を獲得でき定期的に情報を配信することができます。

 

つまり、自分のお店で購入してくれた人たちを更に囲い込むことができるからです。

一方でユーザーにとっても、 まず現金を持たなくてもいい便利さ、そして偽札をもつ心配がないこと。

(中国ではみんなお金を受け取ると大体光にかざして本物か毎度確認します・・・)

 

また、「割り勘」という習慣がないので、後から多額になった場合はお金を送り合うとかそういう部分で浸透しているのだと思います。

 

日本の一部の百貨店でもインバウント施策として導入していますよね。

 

でも、Apple payがどんな施策でこの二大巨頭に挑んでくるのかちょっと楽しみな気もしています。